あらゆる核兵器使用の威嚇を非難する――13カ国の国会議員による公開書簡

ロシアが核兵器使用の威嚇を強める中、これを非難し、こうした核兵器による脅しの言動を「当たり前」のことにしてはいけないと、13カ国42名の国会議員が共同書簡を発表しました。2022年11月4日、英語原文がEuracvtiv にて発表(https://www.euractiv.com/section/defence-and-security/opinion/we-must-condemn-any-and-all-threats-to-use-nuclear-weapons/)されたものの日本語訳を以下に紹介します。

あらゆる核兵器使用の威嚇を非難する
We must condemn any and all threat to use nuclear weapons

私たち13カ国の国会議員は、先日のロシアによる「わが国の領土の一体性が脅かされた場合には、ロシアとロシア国民を守るために」核兵器を使用するという威嚇に恐れを抱き、また、愕然としています。

ロシアはこれまでもウクライナにおける紛争に介入する者があればそれに対して核兵器を使用するとの威嚇をしてきました。しかし、今回の威嚇は格段に具体的なものです。現在支配下に置いている地域を不法に併合しようとしているロシアの企てとも併せて考えると、これはとりわけ憂慮すべきです。私たちはこの核兵器使用の威嚇を非難し、ロシア政府に対してこの威嚇を直ちに撤回するよう求めます。

続きを読む

開催レポート:9.26「核兵器廃絶のための国際デー記念シンポジウム」核軍縮の進めかた ―NPT、核兵器禁止条約を通じて

シンポジウム参加の皆さん

 9月23日、国連が定める「核兵器全面的廃絶のための国際デー」を記念して、核兵器廃絶日本NGO連絡会の主催、国連広報センターの共催、KNOW NUKES TOKYOの協力によるオンラインシンポジウムが開催されました(配信動画はこちら)。このシンポジウムは、市民社会、国連、政府の3者のパートナーシップによる取り組みとして2015年に開始されて以来、今回で8回目を数えます。

続きを読む

第10回核不拡散条約再検討会議の「失敗」と課題

 第10回核不拡散条約(NPT)再検討会議は、実質事項を含む最終文書の採択が期待されていたが、実質事項のコンセンサス採択の「失敗」という結果で、2022年8月26日に閉幕した。NPTの再検討会議は「前文の目的の実現及びこの条約の規定の遵守を確保するようにこの条約の運用を検討するため」(条約8条3項)条約発効後5年ごとに開催され、締約国の具体的行動についての合意を示す実質事項のコンセンサス採択が重視されてきた。もっとも全ての会議で実質事項が採択されたわけではなく、前回(2015年)の会議でも実質事項につきコンセンサスは成立しなかったから、2015年の第9回と2022年の第10回、2回続けてNPT再検討会議は「失敗」したことになる。

続きを読む

【声明】NPTが停滞しても、私たちは前進する

このたびのNPT再検討会議の結果を受けて、核兵器廃絶日本NGO連絡会は本日8月29日、以下の声明を発表しました(PDF版はこちら。英語版はこちら(English here))。これを踏まえて、本日13時から記者会見を行います

(写真:2022年8月5日、NPT再検討会議でNGOとして発言する日本被団協の和田征子事務局次長)

NPTが停滞しても、私たちは前進する
――再検討会議の決裂を受けた核兵器廃絶日本NGO連絡会の声明ーー
2022年8月29日

続きを読む

NPTレポート⑧:最終文書 合意できず(速報)

 8月1日から開催されてきた第10回核不拡散(NPT)再検討会議は、最終日となる26日に全体会合(plenary meeting)が行われ、ロシアの反対によって最終文書の採択はできないまま、閉会しました。

 22日午前をもって全ての主要委員会(Main Committee)および補助組織(Subsidiary Body)における議論が終了し、同日午後の本会議(Plenary Committee)において各委員会から提出された議長ワーキングペーパーが報告されました。それらを踏まえて作成された最終文書草案をもとに23-26日の4日間、非公開の本会議および非公式協議において交渉が進められました。そして26日、4時間30分の開始延長の末、19時30分頃から本会議が行われましたが、最終文書の採択はできませんでした。

続きを読む

NPTレポート⑦:クリスチャン キリバス代表団アドバイザーに聞く

第10回核不拡散(NPT)条約再検討会議も残り数日となりました。今回は、キリバス政府代表団で核兵器禁止条約に関するアドバイザーを務めているクリスチャン・チョバンヌ(Christian Ciobanu)核時代平和財団(Nuclear Age Peace Foundation)コーディネーターにお話を伺いました。(聞き手:浅野英男)

続きを読む

NPTレポート⑥:ウィリアム・ポッター CNS所長へのインタビュー

8月1日に開幕した第10回核不拡散(NPT)条約再検討会議も最終週に突入しました。これまでの会議の内容や最終文書採択の動向についてジェームス・マーティン不拡散研究センター(James Martin Center for Nonproliferation Studies:CNS)のウィリアム・ポッター(William Potter)所長にお話を伺いました。(聞き手:倉光静都香)

続きを読む

NPTレポート⑤:報告書案――日本NGOの5項目要請と比較する

8月1日からニューヨーク国連本部で開催されている第10回核不拡散条約(NPT)再検討会議では、会議の前半2週間が終了し、各主要委員会および補助組織による報告書案が提出されました(報告書案はこちら)。

核兵器廃絶日本NGO連絡会は、今回のNPT再検討会議の開催に先駆けて、同会議において日本政府が目指すべき成果として、
1. 核兵器国が、これまでの約束を守り、核軍縮に一層努めるよう求めること、
2. 核兵器の非人道性について、最終文書にきちんと書き込むこと、
3. 少なくとも「核兵器を先には使わない」ことを約束するよう核兵器国に求めること、
4. 核兵器の材料を生み出す再処理計画はやめること、
5. 核兵器禁止条約の意義を認めて、明記すること
の5点を訴えてきました(日本政府に提出した要請書はこちら)。

以下では、NPT再検討会議で提案された報告書案のうち、この5項目に関連する内容を紹介し、最終文書採択に向けた論点について解説します。

(以下、PPは前文、OPは主文のパラグラフ番号、MC1は主要委員会Ⅰ、MC2は主要委員会Ⅱ、SB1は補助組織Ⅰをそれぞれ指す)

※ 主要委員会Ⅰからは15日付けで、補助組織Ⅰでは16日付で報告書案修正版が提出されていますが、以下ではそれぞれ12日付けの報告書案(NPT/CONF.2020/MC.I/CRP.1およびNPT/CONF.2020/MC.I/SB.1/CRP.1)に基づいて分析と解説を行っています。

続きを読む

NPTレポート④:第2週のまとめ

8月1日から米国ニューヨークの国連本部にて4週間の予定で開催中の第10回核不拡散条約(NPT)再検討会議も今週で第3週に入りました。本記事では第2週の会場の様子と状況についてご報告します。

先週から開始した核軍縮に関する主要委員会Ⅰに続き、第2週には核不拡散に関する主要委員会Ⅱ及び原子力の平和利用に関する主要委員会Ⅲが開始されました。また各テーマごとに今後の行動計画について討議する補助組織も第2週から開始されました。(ただし補助組織の会議は、そのほとんどが加盟国政府代表以外立ち入り禁止となっていました。)このブログでは、主に核軍縮と原子力の平和利用についての主要委員会(Ⅰ・Ⅲ)についてご報告します。

続きを読む