日本決議案に対する被爆者・若者のコメント

本年の国連総会第一委員会において、日本政府は米国などとともに核兵器廃絶決議案(A/C.1/77/L.61)を共同提出した。核兵器廃絶日本NGO連絡会は、先にその内容に対する声明を発表したが、今回は提出された決議案に対する被爆者と若者の声を紹介する。

田中熙巳(日本被団協 共同代表委員)   

日本国の決議案が採択された。賛成は139か国で、昨年より13か国少なくなっている。アメリカや英国などを含む西欧諸国は賛成しているが、中国と北朝鮮、ロシアは昨年同様反対しており、昨年棄権した南アフリカが反対に回っている。南アフリカとマレーシアは、採決の前に反対や不満の意見を述べている。今日もなお混沌としているロシアとウクライナの戦況の中で、唯一の戦争被爆国である日本の役割への期待に対する失望があったのかもしれない。

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核兵器禁止条約に関する国連総会決議と規範形成

 

 2022年10月28日から国連総会の第1委員会で核軍縮に関する諸決議の採択が始まった。国連総会には主要な委員会が6つあるが、第1委員会は軍縮や安全保障を扱う下部機関であって、ここで採択された決議は、総会本会議に送られ、例年12月初旬の本会議による採択を経て正式な国連総会の決議となる。総会の決議に法的拘束力はないが、世界の193の加盟国が集い「人類の議会」とも称される場における決議は、政治的な重みを持つし、特に決議の提案国や賛成国にとっては、その内容はその国にとっての国際公約と言えるものとなる。

 今年8月のNPT再検討会議の議長最終文書案(NPT/CONF.2020/WP.77)は、ロシアによる反対のためコンセンサスによる採択ができなかったが、同国が反対した箇所を除いては、NPT締約国の間にコンセンサスが存在していた可能性があった。日本が第1委員会に提出した今回の決議案(A/C.1/77/L.61)は、8月の最終文書案の内容のいくつかを確認するものとなっており、NPT再検討会議におけるコンセンサスの有無を確認する側面がある。

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