日本政府は核禁止めざす「オーストリアの誓約」に賛同せず-安倍首相

昨年12月の核兵器の非人道性に関する第3回国際会議を受けて、核兵器の禁止に向けて行動することを呼びかける「オーストリアの誓約(プレッジ)」について、日本政府は賛同しない立場を表明しました。3月18日の参議院予算委員会で、安倍首相が「いたずらに核保有国との関係に溝を作り、一歩も理想に近づくことにならないアプローチは取らない」と述べて、事実上、賛同しないという立場を明らかにしました。これは自民党の古賀友一郎参議院議員(長崎選挙区)の質問に答えてのもの。同議員のウェブサイトにこの問題に関する岸田外相と安倍首相の答弁の様子が出ています(10:34~20:44)。オーストリアの文書に「賛同しない」という言明はしていませんが、事実上、賛同しない立場を明らかにしたものといえます。

以下に関連報道を紹介します。

3月13日の共同通信配信記事は、日本の不賛同の方針の背景に、米国からの要請があったことを伝えています。日本と同じく米国の「核の傘」の下にあるノルウェー(NATO加盟国)に対しても、米国からオーストリアの文書に賛同しないよう要請があったことが明らかになっており(ICANのニュース現地ニュース)、現在ノルウェーの国会においても大きな争点となっています。

毎日新聞 2015年3月18日
安倍首相:オーストリアの核兵器禁止文書に協力しない考え

琉球新報 2015年3月14日
<社説>核禁止日本不賛同 二枚舌やめ、廃絶実現を 

長崎新聞 2015年3月14日
これが被爆国の政府か

産経新聞 2015年3月13日
長崎の被爆5団体 核禁止文書への不賛同に「失望」と抗議

共同通信 2015年3月13日
政府、核禁止文書賛同見送りへ 米が同盟国に働き掛け

記事全文:
政府、核禁止文書賛同せず
米が同盟国に働き掛け  「核の傘」へ影響懸念

来月ニューヨークで開幕する核拡散防止条約(NPT)再検討会議に向け、オーストリアが核兵器禁止を呼び掛け国連全加盟国に配布した文書について、日本政府が賛同を見送る方針を固めたことが12日、分かった。米国が「核の傘」への影響を理由に日本を含む同盟国などに不賛同を働き掛けていた。複数の日本政府当局者や外交筋が明らかにした。
オーストリアは昨年末の「核兵器の非人道性に関する国際会議」の議長国。同会議で文書を発表、再検討会議にも文書を提出し、核禁止の論議を本格化させる狙いがある。
政府は核の傘に頼る安全保障政策との整合性から、オーストリアの文書が「核兵器を禁止、廃絶する」条約の必要性を訴えている点を問題視、不賛同が適切と判断した。
日本は毎年、国連総会で核兵器廃絶決議案の採択を主導。しかし禁止条約については「交渉の機は熟していない」と否定的な立場だ。
米国務省当局者も文書に不支持を表明し「有望なのはNPT加盟国の総意を反映した、より現実的なアプローチだ」と語った。
日本は、文書を通じ核兵器禁止条約への態度表明を迫られた格好だったが、日米同盟を重視し「ノー」で応じる展開となった。再検討会議の場では広島や長崎の被爆者らが禁止条約制定を訴える予定で、反発と落胆が広がりそうだ。
オーストリアは1月中旬、文書への賛同を各国に要請した。日本は外務省が精査し「レッドライン(譲れない線)を越えている」と判断。賛同しない一方、再検討会議成功と核軍縮促進へ向け、協力していく考えを伝えることを検討している。
米政府高官が2月に訪日し不賛同を促していた。米国は核の非人道性をめぐる問題に熱心なノルウェーなど一部の北大西洋条約機構(NATO)加盟国にも同様の働き掛けをしている。
文書にはこれまで40~50カ国が賛同を表明。オーストリア外務省は「核保有国や、核の傘の下にある国からの賛同はない」としている。(ワシントン、ウィーン、東京共同)

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