使用済み核燃料問題をめぐって、原子力規制庁・原子力委員会と意見交換をしました

去る2月7日(木)、核兵器廃絶日本NGO連絡会は使用済み燃料とプルトニウム問題に関して、原子力規制委員会(規制庁)および原子力委員会(事務局)との面会・意見交換を行いました。NGO連絡会が出していた質問書はこちら。やりとりの内容(概要)は以下を(「続きを読む」をクリックして)ご覧ください。

核兵器廃絶日本NGO連絡会と原子力規制庁、原子力委員会事務局との意見交換会
日時 2013年2月7日(木) 午後3~4時場所 参議院議員会館B101会議室
出席
政府側
原子力規制庁 技術基盤課 田口達也 課長補佐
内閣府 原子力政策担当室 氏原拓 参事官補佐
NGO側
片岡栄子(ふぇみん婦人民主クラブ)、金生英道(原水爆禁止日本国民会議)、河合公明(創価学会)、川崎哲(ピースボート)、塩浜修(世界連邦日本国会委員会)、田窪雅文(核情報)、田中煕巳(日本原水爆被害者団体協議会)、内藤雅義(日本反核法律家協会)
紹介議員
福島みずほ参議院議員、石川秘書、池田秘書

NGO連絡会が事前に提出していた質問書はこちら

質問1 「常に世界最高水準の安全を目指す」という原子力規制委員会の理念は、核セキュリティと核不拡散の分野についても当てはまるものと考えます。原子力規制委員会として、核セキュリティと核不拡散についてどのような活動計画を持っていますか?

質問1に対する回答(事前の文書回答):
原子力規制委員会として、我が国の核セキュリティの強化を着実に推し進めるため、当面の諸課題に対応する「核セキュリティに関する検討会」を設置しました。本件については、2012年12月19日に開催された第20回原子力規制委員会にて説明し、了承されているところです。(担当:原子力規制庁 原子防災課)
関連資料
○2012年12月19日 第20回原子力規制委員会 資料2(核セキュリティに関する検討会の設置について(案))
○2012年12月19日 第20回原子力規制委員会 議事録
○2013年1月30日 第25回原子力規制委員会 資料2(核セキュリティに関する検討会設置要項について)

※なお、この「核セキュリティに関する検討会」に関しては、一般に公開されるものにはならないだろうという見通しが会合の席上原子力規制庁より示されました。NGO連絡会からは、可能な限り公開するよう要請しました。

質問2 日本が「余剰プルトニウムを持たない」ことを確保するべく、日本のプルトニウムの保有状況や生産計画を監視し、政府に対して勧告していくことは、核不拡散の観点から原子力規制委員会の重要な役割であると考えます。この点について原子力規制委員会の考え方また活動計画についてお示し下さい。
質問3
 ヨーロッパにある日本のプルトニウムの利用計画を信憑性のある形で具体的に明確化し、「計画遂行に必要な量」を追加する必要があることを示せるまでは、六ヶ所再処理工場でこれ以上のプルトニウムを分離しない方針を宣言することが、余剰プルトニウムは持たないと表明してきた日本の国際的責任ではありませんか。

※質問2と質問3(余剰プルトニウム関連)について、NGO連絡会からは核不拡散を所掌する原子力規制委員会(規制庁)の対象範囲ではないかと質問したものですが、原子力規制庁からは「余剰プルトニウム問題は原子力委員会の所掌である」との事前の返答がありました。それをふまえ、原子力委員会の事務局である内閣府担当者が会合に出席し、以下の通り返答しました。

質問2と質問3(余剰プルトニウム関連)に関する内閣府(原子力委員会事務局)の回答:
質問2について、余剰プルトニウムを持たないという政府の方針は変わっていない。2003年(平成15年)の原子力委員会決定「我が国におけるプルトニウム利用の基本的な考え方について」にある通りである。平和利用の観点から、プルトニウムの利用計画の公表については引き続きやっていきたいと考えている。
質問3については、まず、今後のエネルギー政策の中で原子力がどのくらいの位置を占めていくのかという議論が進んでいくことが必要である。昨年の原子力委員会の核燃料サイクル小委員会では、運営のあり方をめぐって問題はあったものの、議論はしっかりと行った。そこで議論したことは、原子力発電がどのくらいの位置を占めるかによって、再処理を含む核燃料サイクルのあり方も決まってくるということ。これから先、早期に原子力発電を無くしていくのであれば、当然再処理も止めて直接処分にしていく。これは決まっている。しかし、この先も一定程度の原子力発電を行うのであれば、再処理を続けていくことに意味がある。そのため、これから先のエネルギー政策の検討が終わるまでは、再処理を止めるべきとか止めるべきでないとかいったことは簡単には言えない。

Q.であるとすれば、今年10月に六ヶ所再処理工場を稼働するという事業者の前提はおかしいのではないか。それはいったん止めるべきなのではないか。原子力政策の方針も決まっていないのに六ヶ所を動かすのは国際的問題を引き起こすという指摘は、先の国連軍縮静岡会議でも米国などの専門家からされていた。

(そのような国際的な懸念をもたれることについては)重く受け止めなければならない。今後のエネルギー政策の前提がはっきりしない状況であり、そのために再処理の今後についても決められない。プルサーマルがうまくいくかどうかが分からないという要素もある。また、原子力委員会の位置づけそのものが見直し対象とされており、はっきりと定まっていないという実情もある。海外にある(日本保有の)プルトニウムをどうすれば処分できるのかという方策は、まだ示せていない。

Q.これだけ溜まってしまっていて、処理の方針が決まっていないのにさらに作るというのはおかしい。止めることはできないのか。

福島の事故以来、プルトニウム利用計画が事業者から得られていない状況ではあるので、利用計画を求めていく必要はあると思っているし、説明を求めていくということはできる。

NGO連絡会:現状では、まったく説明ができない状態になっている。これまでの事業者の利用計画も不十分なものであった。より厳しい計画の提出を求めていくべきであるし、国会議員には国会内で本格的に問題にしてもらいたい。

質問4 使用済み燃料に関わる安全性やセキュリティの強化を図るために、使用済み燃料はプール貯蔵からできるだけ早く乾式貯蔵に移すということを、原子力規制委員会として政府に勧告すべきではありませんか。この点に関して具体的にどのような計画をお持ちか、お示し下さい。

質問4に対する回答(原子力規制庁):
福島の事故をふまえて原発の新しい安全基準を検討してきた。今年7月に施行することは決まっている。これまでこの検討の会合を10回以上公開で会合をやっている。ちょうど新しい安全基準の骨子がまとまったところ(詳細は以下のリンク参照)。まさに今日(2月7日)から、パブリックコメントを3週間かけて集める。それを踏まえて骨子をセットし、そこから条文の形にしていく。その後改めてパブリックコメントにかける。私たちの今の安全規制の案では乾式貯蔵にしなければならないということは書いていない。私たちとしては、使用済み燃料プールへの注水系統をさらに2系統つけることを要求することは決めているが、必ず乾式にいずれかの時点で移さなければならという提案は入れていない。仮に乾式に移すと考えたとしても、一定期間はプール貯蔵が必要になる。今回の安全規制ではシビアアクシデント対策、すなわち従来起きないといわれていた炉心損傷が起きた場合にどうするかという対策を中心に議論した。その場合に、使用済み燃料プールの冷却システムを多重にするということに議論の焦点があったからである。これを乾式に移すべきとか、いつ移すべきとか、そういう本格的な議論はしていない。「必ず一定期間以内に乾式に移すべき」という意見があれば是非パブリックコメントの形で寄せてほしい。

原子力規制委員会(規制庁)から示された資料
原発の新安全基準骨子案(概要)
新安全基準(設計基準)骨子案
新安全基準(シビアアクシデント対策)骨子案

新安全基準に対するパブリックコメントの募集について(締切:2013年2月28日(木)必着
詳細はこちらから

以上のまとめは概略であり、文責は核兵器廃絶日本NGO連絡会にあります。

参考資料(「核情報」から)

①日本のプルトニウム保有状況 日本のプルトニウム保有量

②乾式貯蔵について 「乾式貯蔵先進国」ドイツ──故高木仁三郎氏のメッセージ

③原子力規制委員会の田中委員長による乾式貯蔵に関する発言 使用済み燃料の乾式貯蔵への移行を訴える原子力規制委員会委員長─再処理政策への影響は?

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使用済み核燃料問題をめぐって、原子力規制庁・原子力委員会と意見交換をしました」への2件のフィードバック

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