政府、「抑止力」を理由に核の非合法化を拒否/NGO・市民は政策転換を求める

核兵器廃絶日本NGO連絡会は、先の外務省との意見交換をふまえ、以下のようなプレス・ステートメントを発表しました。PDF版はこちら

On November 21, 2012, the members of Japan NGO Network for Nuclear Weapons Abolition had a round table with Japanese Foreign Ministry. They discussed over the issue that Japan refused to sign the 35 country joint statement on the inhumanity of nuclear weapons at the UN General Assembly. See the NGOs’ Press Statement (PDF).

 プレス・ステートメント(2012年11月22日)

政府、「抑止力」を理由に核の非合法化拒否

NGO・市民は政策転換を求める

 2012年11月21日午後、日本の核軍縮政策に関するNGOと外務省の意見交換会が行われた。広島、長崎の団体を含むNGO11団体からの13名は、風間直樹外務大臣政務官、廣瀨行成審議官らと、国連総会第一委員会および来春の核兵器の非人道性に関するオスロ会議に関して意見を交換した。

 議論の焦点は、10月22日に国連総会で発表された核兵器の非人道性に関する35カ国共同声明に日本政府が署名を拒否した問題にあてられた。日本が署名を拒否した理由に関する風間政務官の説明は、以下のようなものであった。

風間政務官の説明(要旨)
 今回の声明にある「核兵器の非人道性」に関しては、日本政府の認識は声明のそれと一致している。核兵器の惨禍を二度と起こしてはならない。核兵器を二度と使用させてはならない。問題は、どう使用させないかにある。
そのために2つのアプローチがある。一つは
非合法化というアプローチある。しかし、国際社会において違法行為を取り締まる機関がないことから、このアプローチで絶対に核兵器が使用されないという保証があるかというと、不安が残る。
そこで
日本の場合は、二度とわが国で核兵器が使用されないために、米国の核の傘の下にいるというアプローチをとっている。
今回の共同声明は
、こうした核抑止の否定につながる要素があるので、署名しなかった。

 この政務官の説明は、私たちを愕然とさせるものであった。日本政府、核兵器の使用が非人道的なものであることを認めつつ、核兵器のない世界」を求める国連決議案を自ら毎年提出しつつ、その一方で、日本にとっては米国の核兵器が必要であると公言してはばからないのである。そして、核が二度と使われないことを保証するために必要なのは、核の非合法化ではなく、核抑止であると明言した。

 非合法化なくして「核兵器のない世界」が実現するはずがない。政府は「核兵器の使われない世界」をめざすとしつつ、「核兵器のない世界」を求めてはいないのである。

 私たちは、このような政府の立場を到底認めるわけにはいかない。

 第一に、日本は被爆国として、まさに非人道的な惨禍を身をもって経験した国であるからこそ、核の非合法化に向けて世界の先頭に立つ責任がある。被爆者は、核兵器は存在そのものが人類にとっての道徳的退廃であると訴え続けてきた。

 第二に、核保有することが核の使用を防ぐという抑止論には、何の根拠もない。むしろ核兵器に価値を見出す国がある以上、他の国も持ちたがり、世界に核は増殖していく。事実、1970年の核不拡散条約(NPT)は5カ国を核保有国と認めたが、今日では北朝鮮も含めるならば9カ国が核を保有するに至っている。核が使われる危険は高まっている。核の使用を防ぐ唯一絶対的な道は、核兵器の全面禁止と廃絶である。

 第三に、日本政府は核の非合法化に向けた段階的な措置、すなわち核の役割限定や先制使用の禁止についてすら、真剣に取り組んでいない。今回政務官は、日本への核使用を防ぐために核抑止が必要だと説明したが、これまで政府は、核以外の攻撃に対しても核使用を求める立場をくりかえし答弁している。重篤な核依存症といわざるをえない。

 核兵器に対する政府のこのような政策は、矛盾にみち、人々を欺くものである。それは、決して日本の人々の気持ちを代表するものではない。私たちは、根本的な政策の変更を求める。そしてとりわけ総選挙を前に、政治家たちの責任を強調するものである。

2012年11月22日

核兵器廃絶日本NGO・市民連絡会

共同世話人
川崎哲(ピースボート)
田中熙巳(日本原水爆被害者団体協議会)
朝長万左男(核兵器廃絶地球市民長崎集会実行委員会)
内藤雅義(日本反核法律家協会)
森瀧春子(核兵器廃絶をめざすヒロシマの会)

連絡先 03-3363-7561(ピースボート)
nuclear.abolition.japan@gmail.com

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