サイエド・ハスリン議長との会合が行われました

2020年核兵器不拡散条約(NPT)再検討会議主要委員会Iにおいて議長を務めるサイエド・ハスリン・サイエド・フッシン国連マレーシア政府代表部大使が訪日し、7月10日、核兵器廃絶日本NGO連絡会との意見交換会を外務省にて行った。サイエド・ハスリン議長は、4月~5月に開かれた、核兵器不拡散条約(NPT)再検討会議の第3回準備委員会で議長を務めた。また、同委員会でヒバクシャ国際署名を受けとっている。

 

 

核兵器廃絶日本NGO連絡会の参加メンバーは、以下の通り。

柏原登希子(ふぇみん婦人民主クラブ)、大久保賢一(日本反核法律家協会)*、北村智之(原水爆禁止日本国民会議)、土田弥生(原水爆禁止日本協議会)、木戸季市(日本原水爆被害者団体協議会)*、濱住治郎(日本原水爆被害者団体協議会)、川崎哲(ピースボート、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN))*、湯浅一郎(ピースデポ)、篠原祥哲(世界宗教者平和会議(WCRP)日本委員会)、河合公明(創価学会平和委員会)、谷本真邦(世界連邦運動協会)

* =核兵器廃絶日本NGO連絡会 共同世話人(またはその代理) Co-chairpersons (or alternate) of Japan NGO Network of Nuclear Weapons Abolition

 

サイエド・ハスリン議長は第3回準備委員会について、勧告案の採択には至らなかったが、議長や手続事項について合意ができ、2020年NPT再検討会議への準備の土台はできた。すべての締約国にとりNPTが重要であることが再確認された、と述べた。(準備委員会詳細は、NGO連絡会ブログ参照

 

NGO連絡会側からは、被爆者である木戸季市さんと濱住治郎さんが改めて核廃絶への思いを述べたほか、準備委員会におけるハスリン議長の努力に対する感謝と敬意を表明。その他、核兵器禁止条約の意義、核兵器の非人道性と市民社会や宗教コミュニティーが果たす役割、核軍縮を阻む核抑止論、NPT再検討会議におけるこれまでの合意、米国による核軍縮のための環境づくり(CEND)等について、質問が出た。

 

 

サイエド・ハスリン議長は、核軍縮をめぐる異なる立場間の対話の重要性を指摘。市民社会の役割に言及しつつ、軍縮教育の重要性について述べた。

文責:柏原登希子(ふぇみん婦人民主クラブ)

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【2020年NPT再検討会議・第3回準備委員会⑥】全日程が終了しました

2019年5月10日、第3回準備委員会は10日間の日程を終え閉幕した。残念ながら2020年NPT再検討会議に向けた「勧告」を採択することはできなかった。一方、2020年再検討会議の議長には、アルゼンチンのラファエル・グロッシ大使が内定した。2015年NPT再検討会議の議長が前年の11月に決定したことと比べれば、このような早期の決定には期待が持てる。また、議題や手続規則についても合意が得られ、2020年に向けての最低限の準備は整ったといえる。

問題は、「勧告」の不採択に象徴されるように対立の溝を埋めることができなかったことである。会議の開幕以前から、核兵器禁止条約を巡る対立、アメリカのINF脱退に象徴されるように米ロの対立、中東問題をめぐる対立などが指摘されていた。

ここでは、核兵器禁止条約を中心に採択に至らなかった「勧告」案を検討することによって、今回の準備委員会を概観したい(筆者はこの会議に出席しなかったため、提出された文書、会議に出席したNGO連絡会のメンバーや他のNGOからの情報などをもとに検討を行う)。

サイード議長が作成した「勧告」の1次案は5月3日の夕刻に議場で配布され、5月9日には改訂版が提示された。「勧告」は、手続規則により原則としてコンセンサス(投票を省略し、全ての加盟国から異議のないことをもって採択されたとする方式)により採択するとされており、10日午前まで非公式会合で交渉が続けられたが、コンセンサスに至ることはできなかった。改訂版の「勧告」は、サイード議長のワーキングペーパーとして提出された。

改訂版の前文に相当する部分は、まず「NPT発効50周年、そして無期限延長25周年を念頭に置いて」として2020年NPT再検討会議が特別な意味を持つことを強調した(パラ1)。また、NPTは「グローバルな核軍縮および不拡散体制の礎石であること」(パラ2)、NPTおよびこれまでのNPTの枠内で行われた約束を完全に履行する義務があること(パラ4)を再確認した。これら部分は、1次案の内容をやや強化したものといえる。

なお、フランスは、1次案に対して「国際安全保障環境の悪化」に言及すべきであると主張したが、改訂版に加えられることはなかった。

また、「全ての加盟国は、この条約を完全に履行する責任を有していること」(パラ5)を再確認したが、この部分は、1次案と比べて大きく変更されている。1次案では「全ての加盟国は、この条約を完全に履行するための国際環境を整備する責任を有していること」とされていたが、「国際環境を整備する」ことが削除された。この「国際環境を整備する」こととは、アメリカが主張しているCEND(Creating an Environment for Nuclear Disarmament)アプローチを意図するものと思われる(CENDとは、核軍縮の前提として、核軍縮を行える環境を整備するというアプローチである)。アメリカが主張するアプローチを削除したことが、コンセンサスの形成に悪影響を与えたことは想像に難くない。

さらに、「条約に基づいた(核)軍縮構造が侵食されていることに懸念を表明し、関連する条約が相互に強化する関係を強調すること」(パラ6)が新たに加えられた。このパラグラフは、核軍縮に関する表現を強めていることから、コンセンサス不成立の一因となったと考えられる。

核兵器禁止条約についての直接の言及はパラグラフ22のみであり、会議全体を通しても控えめのように思われる。パラグラフ22は、「多くの国が核兵器禁止条約を支持していること、また核兵器禁止条約はNPTを補完するものであることを認識すること」とする。前半部分は、核兵器禁止条約の署名国は70カ国、批准国は23カ国であるという事実を反映したものである。その一方で、後半部分は「核兵器禁止条約はNPT体制を損なう」という核兵器国などのこれまでの主張を明確に否定したものといえる。

また、改訂版には「核兵器のない世界を実現し維持するために、核兵器を禁止する法的拘束力のある規範の必要性を認識すること」(パラ21)が新たに加えられ、核兵器禁止条約の必要性が強調された。

核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)の加盟団体であるReaching Critical Willによれば、改訂版に対してアメリカ大使は「著しく悪い(dramatically worse)」、フランス大使は「有害な内容が含まれている」と述べたという。さらに、アメリカはワーキングペーパーとして提出された「勧告」案に対しても、拒否の姿勢を示すワーキングペーパーを提出しており、態度を著しく硬化させている。

長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA)のブログによれば、「最初の議長案に対しては、口頭での発言を見る限り、バランスが取れているとして西側諸国が概ね肯定的であったのに対し、非同盟諸国からは核軍縮に関する言及が不足であるとして、多くの批判的な意見が寄せられた」という。

このような指摘からも、改訂版は1次案と比較して、コンセンサスに至ることがより困難な内容となっているということができる。改訂版の作成の背景については、現時点では分かりかねるが、サイード議長が非同盟諸国のマレーシア出身ということは指摘しておきたい。

サイード議長が公表した会議の「振り返り」によれば、「加盟国の見解には、相違点よりも一致点の方がより多かった」と述べ、今後の合意の可能性を示唆している。また、「NPTは、核軍縮および不拡散体制の礎石であるという確信を加盟国は持っている」と述べており、NPTの重要性を核兵器国・非核兵器国を含む全ての加盟国が共有しているとする認識は非常に重要である。

その一方で、「戦略的安定性に対するこの条約の積極的な貢献は、よく理解されており、尊重されている」と指摘し、NPTの安全保障の側面に対する貢献について一定の理解を示した。また、「核軍縮、不拡散、原子力の平和利用の3本柱の調和を図ることが求められる」として、核軍縮の側面のみを強く主張する側に対して牽制する姿勢を示した。

こうしてみると、NPTは様々な問題を抱えているとしても、核兵器国・非核兵器国の双方にとって不可欠な存在であるという認識は共有されているということができる。ここに、人間の理性、そして特別な意味を持つ2020年NPT再検討会議の成功の可能性を見出すことができるのではないだろうか。

文責:小倉康久(明治大学)

【2020年NPT再検討会議・第3回準備委員会⑤】「ヒバクシャ・アピール」のサイドイベントが行われました

5月3日、第3回NPT準備委員会のサイドイベントとして、「ヒバクシャ国際署名」主催、PEAC、世界宗教者平和会議(WCRP)日本委員会が共催する「ヒバクシャ・アピール」が開催され、国連、NGO、学生、メディア関係者ら約80名が参加しました。本イベントは、5月1日に準備委員会のサイード・ハスリン議長に「ヒバクシャ国際署名」941万人分超が提出されましたが、さらなる世界的な「ヒバクシャ国際署名」の展開をめざす目的で開催されました。

最初に、日本原水爆被害者団体協議会(被団協)事務局長の木戸季市氏が、5歳のときに長崎で被爆した体験を語りました。「私が見た世界は誰もが予想できない世界で、人類の終わりの地獄でした」と当時の被爆地の様子を語り、「もうこんなことは絶対に起こってはいけない世界」であると述べ、「私たちの命が少なくなってきた今、将来の子ども達に青い地球を残したい」という決意からこの「ヒバクシャ国際署名」を開始したという心境を述べました。

次に、被団協事務局次長の濱住治郎氏は、胎内被爆者として被爆の証言を行いました。原爆によって49歳でなくなった父の思いを振り返り、「父の分まで生きなければいけない。そして核兵器が存在するかぎり被爆者は安心できない」と述べました。胎内被爆者は生まれる前からすでに被爆者であるという苦しみを語り、非人道的な兵器である核兵器を廃絶し、「ふたたび被爆者をつくらせてはいけない」と訴えました。

WCRP国際軍縮シニア・アドバイザーの神谷昌道氏は、今年の8月のドイツにおける第10回WCRP世界大会や来年10月の第9回アジア宗教者平和会議(ACRP)大会などで、世界の宗教者に「ヒバクシャ国際署名」を呼びかけることを誓いました。また、この準備委員会に向けて、核軍縮・不拡散議員連盟(PNND)日本とWCRP日本委員会が共同提言した核抑止論の再考を求める「核兵器廃絶に向けた共同提言文」について説明をしました。

司会を務めたPEAC代表のレベッカ・アービー氏は、被爆者が被爆者証言をする際の心労の大きさを知ったときに、「私たち若い世代は決して核兵器の恐怖を忘れてはならない、核兵器のない新しい世界をつくらなければならない。まだまだ署名をしていない人がいるので、さらに多くの人に署名を呼びかけたい」と力強く述べました。

その後、核兵器のない世界へ願いを引き継いでいくという意味で、聖火の模型を手渡しながら、各スピーカーが平和への思いを表明しました。木戸氏、濱住氏、神谷氏、レベッカ氏、そしてアワッドさん(14歳)、アボザジオさん(13歳)、広島の庭田杏珠さんと手渡されました。

このイベントでは、フリーディスカッションも行われました。フロアーから被爆者の木戸氏、濱住氏に対して、様々な質問が投げかけられました。印象的であった質疑応答を紹介します。

質問では「原爆投下は戦争を早く終わらせたのではないか?」、「被爆者の方々が、大変な心労で被爆証言を行っているが、時には辞めたくなることはないのでしょうか?」、「街頭署名をお願いしても、なかなか理解してくれない人がいるがどのようにすれば、もっと署名が集まるか?」などが出されました。

これらの質問に対し、木戸氏が回答をしました。以下はその要約です。

「原爆が戦争を終わらせたということを認めることは、戦争を終わらせるために核兵器を使うことを容認することになります。これまで戦後74年間に多くの戦争が起きましたが、原爆が戦争を終わらせたことは一度もありません。原爆には戦争を終わらせる力はありません。」

「被爆者の『ふたたび被爆者をつくならい』という被団協の運動に参加したのは、50歳の時からでした。被団協の運動は自らを救うと共に、人類を救う運動です。今、この運動を通して、自分の生き方を見つけられていることは幸せなことです。」

「運動を展開するには仲間が必要です。私にとって仲間は、現在、一緒に運動を展開している方々でありますが、原爆で亡くなった方々も私の仲間です。この仲間と共に核兵器廃絶をめざしているのです。」

「運動を展開するためには人類の歴史の勉強が必要です。本当に歴史を学ぶことが、平和をつくることになり、それをめざす仲間が増えるのです。皆さん、たくさん学びましょう。」

このような活発なフリーディスカッションを通じて特に心に残りましたのは、出席した若い人達が被爆者の方々に積極的に質問をしている姿でした。その姿からは、被爆者の核兵器なき世界の願いを継承しいきたいという強い意志を感じました。

「ヒバクシャ国際署名」は、国際的に幅広く多くの人々と核兵器なき世界の願いを共有することを意図していますが、このイベントを通じて、被爆者の「ふたたび被爆者をつくならい」という意志を世代間を越えて共有・継承していくことに大切な意義があることを、改めて実感しました。

文責:篠原祥哲(世界宗教者平和会議(WCRP)日本委員会)

このイベントをはじめ、被爆者の木戸さん、濱住さんのニューヨークでの活動が広く報道されています。

NHK広島 2019.5.10 国連で核兵器廃絶訴え 被爆者の活動に密着

共同通信 2019.5.4 被爆者が米国で即時核廃絶訴え 国務省幹部「今はできない」

朝日新聞 2019.5.4 長崎、広島の被爆者が国連内外で核廃絶訴え

NHK 2019.5.4 被爆者 核兵器禁止条約参加求め署名呼びかけ NY国連本部

NHK 2019.5.5 長崎の被爆者がNGO国際会議で核廃絶を呼びか

しんぶん赤旗 2019.5.5 核兵器禁止へ頑張ろう

しんぶん赤旗 2019.5.6 核戦争回避へ各国市民連帯 ニューヨークで国際会議

聖教新聞   2019.5.6   アメリカ・ニューヨークでNPT再検討会議準備会合   SGIの代表が参加 宗教間の共同声明を発表

【特別寄稿】 混迷の今こそ「被爆の実相」に思いをはせて:第3回NPT準備委員会の前半を終えて

会場となっている信託統治理事会会議場


2020年NPT再検討会議・第3回準備委員会は3日(現地時間)、1週(前半)の議論を終えました。2週(後半)では、さらに不拡散(クラスターII)、原子力の平和利用(クラスターIII)、そして来年の再検討会議の運営事項、3日の夕方に配布された来年の再検討会議に向けた勧告の草案の検討が行われます。

ここで、同準備委員会に参加している、広島市立大学広島平和研究所の福井康人准教授からの寄稿を掲載します。


5月3日(金)に第3回準備委員会の前半が終了した。一般討論演説とクラスターI(核軍縮)が終了し、中東問題や第一追加議定書の普遍化をはじめとする難問を抱えるクラスターII(核不拡散)が始まったばかりである。

核軍縮の関係では、核兵器禁止条約が成立したこともその遠因にあるのか定かではないが、米国が昨年あたりから、「核軍縮のための環境づくり(CEND)」イニシアティブを本格的に推進し始めた。その詳細については、4月30日に行われた米国政府主催のサイドイベントにおける、クリス・フォード国務次官補による演説を参照願いたいが、要は核軍縮のための環境を整えるべしとするものである。即ち、軍縮に関連する決定が行われるに際しては、自国を取り巻く安全保障環境を考慮する必要がある。その一例として、前世紀の戦間期に一連の軍縮会議が成功したのも、使用しうる兵器を管理することよりも、安全保障環境を整えることが重要である。ワシントン軍縮会議等が成功を収めたのも、こうした安全保障環境の整備が進められたからである、とする。

こうした米国の動きと対照的なのはフランスであり、核兵器禁止条約に反対する姿勢を一層鮮明にした。フランスも、核軍縮の問題を安全保障の文脈から切り離すことは危険であるとする。即ち、それが大量破壊兵器及び運搬手段の拡散に繋がり、そうした拡散は全世界的及び地域的な緊張に特徴づけられているとする。故にフランスは、核兵器禁止条約に反対するという。また、同条約の発効は別途の矛盾する規範の形成につながり、国際不拡散体制の要であるNPTを弱体化させかねないものであり、フランスは(発効後も)同条約には加入しないことを強調している。更に、念を押すが如く、同条約に参加する国は、特にアジアや欧州において、核抑止力がない中で、大規模な通常兵器戦争のリスクを抱えずに、再軍備や脅威の発生に対して、どのように安全保障と安定を確保するのか説明する必要があるとする。このように、今回のNPT準備委員会での核兵器国側の発言は、概ねこれまでの立場を維持しているものの、そのなかでも米国とフランスの発言が注目される。

筆者はちょうど30年前に外務省の軍備管理軍縮課に配属されたこともあり、その時のことを思い起こすことがままある。当時、担当の包括的核実験禁止条約(CTBT)で初めて国会答弁案を書いた時、「被爆の実相」という表現に出会い、随分と不思議な表現だと感じたのを覚えている。今回の出張の際に広島で利用したタクシーの運転手さんから聞いた話なのだが、その方が子供だった頃は、広島市内で道路工事があると大量の人骨が発見されることがよくあったという。つまり、通常であれば弔って火葬するのであろうが、それが出来ない程の短期間での膨大な数の死者で、そのまま埋葬せざるを得なかったのであろう。そんな想像を絶する状況が市内で数多く生じたものと思われ、それが「被爆の実相」の一つの事例ではなかったかと、思いを馳せてしまった。

米国やフランスの発言からは、人間の生存する(或いは生存できなくなる)姿が十分に伝わってこないのが正直なところである。しかし、恐らく今後も神学論争じみた議論が続けられるであろう。会議のためにニューヨークに出張するという話をしたら、何故かタクシーの運転手さんはこの話を私にした。使い古された表現ではあるが、今一度「被爆の実相」とは何かを考えつつ、2020年NPT運用検討会議に向けて研究を行いたい。

広島市立大学広島平和研究所 福井康人

国連本部事務局ビルとイースト・リバー

【2020年NPT再検討会議・第3回準備委員会④】核政策法律家委員会(LCNP)主催のサイドイベントが行われました

5月1日の午後も多くのサイドイベントが開催されましたが、その一つに「人権、民主主義そして核兵器」と題するサイドイベントがあります。主催した核政策法律家委員会(LCNP)は法律家から構成される国際反核法律家協会(IALANA)の米国加盟団体であり、これまでも国際法の視点から核兵器の廃絶に繋がる法的提言活動を積極的に行っています。

このサイドイベントでは、LCNPのジョン・バロース氏がモデレーターとなり、ローザンヌ大学のリエティカー講師やハーバード・ロースクールのドカティ講師ら法律専門家がスピーカーとなって最近の国際人権法の発展が核軍縮に及ぼす影響が議論されました。その一つは国際人権規約(自由権規約)により設置された自由権規約委員会が昨年10月に採択した生命に対する権利の解釈に関する「一般的意見」に関するものです。

この意見の中で、同委員会は「大量破壊兵器(特に核兵器)であって、無差別の効果を持ちかつ壊滅的規模の生命の破壊をもたらすものによる威嚇またはその使用は、生命に対する権利の尊重と両立せず、かつ国際法上の犯罪に相当し得る」との解釈を示しました(パラ66)。自由権規約は172カ国が締約国となっており人権条約の中でも主要なものです。このなかで同規約第6条において「何人も、 恣意的にその生命を奪われない」と規定される生命に対する権利は、戦時等の公の緊急事態においてもその尊重が締約国に義務付けられており、生命に対する権利は数ある人権の中でも王座を占めるとされています。

自由権規約の締約国にはNPTの核兵器国も含まれており(中国は署名のみ)、同規約の第6条がこの一般的意見のいうように解釈されるとするなら、これら核兵器国及びその同盟国がとっている核兵器に依存する政策は生命に対する権利の侵害に該当し、国際法上の犯罪ともなりうることになります。

もう一つは、核兵器禁止条約暫定的な仮訳)が国際人権法の発展に基づく規定を有していることです。つまり、同条約の前文では国際人権法の遵守の必要が再確認されたうえで、核使用・実験の被害者に対して援助を提供することが管轄権をもつ締約国に義務づけられ(第6条)、すべての締約国にこれに協力することが義務づけられています(第7条)。

このように核軍縮の分野でも人権尊重を義務づける規範が受け入れられつつあります。これまで軍縮と人権の関係は認識されてはいましたが、実際の軍縮の取組みの中で人権の尊重がそれほど重視されてはきませんでした。自由権規約の締約国で核兵器に依存する国はこのような議論に向き合う必要がありますし、核廃絶を求める国やNGOもこの議論をどのように核廃絶への前進に活用するかを考えることが必要となってきています。

このような問題提起が今後のNPT再検討サイクルの中でどのように共有されていくのか注目したいと思います。

この問題に関するリエティカー氏の論稿(日本語訳)はこちら

文責:山田寿則(明治大学)

【2020年NPT再検討会議・第3回準備委員会③】市民社会による活動

5月1日(水)午前10時から、市民社会に発言の機会が与えられました(NGOプレゼンテーション)。ここでは、日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)、核兵器を憂慮する宗教コミュニティ、広島・長崎両市長、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)、科学と世界の諸問題に関するパグウォッシュ会議、核政策に関する法律家委員会など、16人のスピーカーが登壇しました。

日本被団協からは、濱住治郎事務局次長が登壇。広島の胎内被爆者としての体験を語りました。濱住さんは、「戦争は終わっていません。いまだに世界に14500発もの核兵器が存在しているからです」と述べ、「原爆は、74年たった今でも、被爆者のからだ、くらし、こころに被害を及ぼしています」と訴えました。

そして、2016年4月、「ヒロシマ・ナガサキの被爆者が訴える核兵器廃絶国際署名」を開始したことに触れ、「平均年齢80歳を超えた被爆者は、後世の人々が生き地獄を体験しなくて済むよう、生きている間に何としても核兵器のない世界を実現したい」と訴えました。そして、この準備委員会で、「940万人を超える署名を提出させていただきます」と述べました。

さらに、2017年に採択された核兵器禁止条約に言及しつつ、「2000年の再検討会議で合意され、2010年に再確認した『保有核兵器の完全な廃棄を達成するとの核兵器国のよる明確な約束の履行』をすみやかに実行してください」と訴えました。最後に、「核兵器も戦争もない青い空を世界の子供たちに届けることが、被爆者の使命であり、全世界の大人一人ひとりの使命ではないでしょうか」と述べて、スピーチを結びました。

被団協の発言内容はこちら

ICANは、アメリカのイニシアティブである「核軍縮のための環境作り」(CEND)は、「巨大な核兵器の近代化プログラムから人々の目をそらせるべきではない」とし、「賢明な政府は中身のない言葉に惑わされることはなく、軍縮のための環境を真に作り出すのは、核兵器を拒否する核兵器禁止条約のような措置を通してであることを認識している」と指摘しました。そして「核兵器禁止条約を支持するという選択が、核軍縮のための環境を真に作り出すためにとりうる行動である」と述べました。

ICANの発言内容はこちら

その他、日本からは、平和首長会議の松井一實広島市長、田上富久長崎市長、原水爆禁止日本協議会の土田弥生事務局次長が登壇しました。また日本反核法律家協会が賛同者に加わった「核政策に関する法律家委員会」が声明を発表するとともに、創価学会インタナショナル(SGI)や立正佼成会が参加する「核兵器を憂慮する宗教コミュニティ」(53団体と個人が参加)が、宗教コミュニティとしての共同声明を発表しました。

広島市長の発言内容はこちら

長崎市長の発言内容はこちら

日本原水の発言内容はこちら

日本反核法律家協会が参加する核政策に関する法律家委員会の発言内容はこちら

核兵器を憂慮する宗教コミュニティの発言内容はこちら

午前中のセッションの終了後、午後1時過ぎから、サイード・ハスリン議長と中満・国連軍縮担当上級代表に、941万筆余りのヒバクシャ国際署名が提出されました。

午後3時からは、ナガサキ・ユース代表の主催によるサイドイベント「To inherit the consciousness all humans are HIBAKUSHAs(人類みなヒバクシャという意識を継承する)」が行われました。主催者の皆さんは、「半年間の準備をかけて、代表団なりに被爆者の定義について考える機会を提供できました」と語っていました。

同時刻には、中満・国連軍縮担当上級代表と準備委員会に参加している市民社会の意見交換会も行われ、核兵器廃絶日本NGO連絡会からも代表が参加しました。日本から参加した学生からは、「NGOの活動の役割を感じる良い経験になりました」との感想が寄せられました。(国連軍縮局による報告はこちら

文責:河合公明(創価学会平和委員会事務局長)

NGOプレゼンテーションやヒバクシャ国際署名提出の様子は、広く報道されました。

NHK 2019.5.2 NPT会合 米ロ対立で核軍縮進まない現状に強い危機感

朝日新聞 2019.5.2 胎内被爆者「戦争終わっていない」 ニューヨークで演説

共同通信/ロイター 2019.5.2 NPT準備委で被爆者が証言

TBSニュース 2019.5.2 広島・長崎市長が核軍縮訴え、NPT準備委

日テレNEWS24 2019.5.2 田上市長「核兵器の脅威の削減を」

読売新聞 2019.5.3 核禁止条約「締結を」署名941万筆、目録提出

毎日新聞 2019.5.3 NPT準備委 核廃絶、941万筆署名提出 被団協「世界の大勢」

東京新聞 2019.5.3 「核兵器廃棄の約束履行を」胎内被爆者、国連で訴え NPT再検討準備委 広島・長崎市長も演説

時事通信 2019.4.30 被爆者、軍縮大使と面会

共同通信 2019.5.1 被団協事務局長、軍縮大使と会談 核禁止条約署名を要望

長崎新聞 2019.5.3 核軍縮へ「米露対話を」NPT準備委で田上市長が演説

しんぶん赤旗 2019.5.3 ヒバクシャ署名941万人分提出 NPT準備委に被団協

毎日小学生新聞 2019.5.4 核廃絶署名941万筆を提出 日本被団協

聖教新聞   2019.5.6   アメリカ・ニューヨークでNPT再検討会議準備会合   SGIの代表が参加 宗教間の共同声明を発表

Kyodo May 2, 2019 A-bomb survivor continues mission for nuke-free world

NHK May 2, 2019 Hibakusha calls for abolition of nuclear arms

Mainichi/Kyodo May 2, 2019 More work needed ahead of 2020 NPT treaty review: envoy

Japan News/Jiji May 2, 2019 A-bombed cities urge quick implementation of nuclear ban treaty

UN Office of Disarmament Affairs May 3, 2019 High Representative Nakamitsu joins Ambassador Syed Mohamad Hasrin Aidid, Chair of 2019 NPT Preparatory Committee, in Accepting “Appeal of the Hibakusha” petitions presented by Nihon Hidankyo

【2020年NPT再検討会議・第3回準備委員会②】一般討論が始まりました

4月29日(月)午前10時(現地時間)、2020年核不拡散条約再検討会議・第3回準備委員会がニューヨークの国連本部で開幕しました。会場となっているのは、信託統治理事会の会議場です。

議長には、国際連合マレーシア政府代表部のサイード・ハスリン(Syed Mohamad Hasrin Syed Hussin)大使が選任されました。同議長は開会のスピーチで、2020年のNPT再検討会議が、同条約の発効50年、さらには無期限延長25周年にあたることに言及しました。また、全ての出席者に対して、お互いに話し合うよう求めました。そして、全ての利害関係者が同条約を支えることに期待を寄せました。さらに、今週の金曜日には、2020年NPT再検討会議に向けた勧告のドラフトをまとめたいと述べました。

サイード・ハスリン議長の発言

中満泉・国連軍縮担当上級代表は、安定や信頼性を促進する対話の減少や核兵器の価値が強調されるといった国際環境の悪化を指摘したうえで、今期の準備委員会を信頼と確信を回復するための機会として欲しいという希望を表明しました。さらに、NPTの誕生を導き、不拡散体制の礎石や核軍縮の重要な基礎としてだけでなく、国際安全保障の柱となってきた協力の習慣を回復するプロセスの開始に期待を寄せました。そのためには、妥協と柔軟性の精神、高度の忍耐力、さらには直接関係のない問題に捕らわれることなく、この条約の実質的な問題について取り組もうとする意思が必要であると指摘しました。

中満上級代表の発言

続いて一般討論が始まりました。すべてをカバーすることはできないので、核軍縮に関連して、特に筆者の関心を引いたいくつかの発言について、核兵器国、その核兵器に依存する国、非核兵器国の順に、概要をお伝えします。

― 核兵器国 ―

【アメリカ】

・核不拡散の約束なくして核軍縮はあり得ない。核不拡散と核軍縮の双方の両立が、NPTの共通の利益である。

・アメリカは、安全かつ持続可能な形で、核兵器のない未来へと前進することを阻害しない環境を築くための、「新しい対話」を模索している。

・冷戦後、アメリカは核弾頭の88%を削減することに成功したように、核軍縮の成否は緊張緩和と信頼醸成にある。当時の条件が失われてしまった今、新しい軍縮の言説の構築が必要である。

・こうした核軍縮のための環境作りは、すべての締約国がNPT第6条の軍縮義務を履行するために必要なことであり、アメリカはそれを推進する。

アメリカの発言

【ロシア】

・ロシアは、新START条約が、中距離核戦略全廃条約(INF)と同じ運命を辿ることを望まない。ロシアは、繰り返しこの条約の更新を主張してきた。

・ロシアは各国と協力して、朝鮮半島での永続的な平和の確立と非核化を促進するための行動計画を策定している。

・2018年12月の国連総会決議により開催される中東非大量破壊兵器地帯(WMDFZ)ための会議に、ロシアは参加する。

ロシアの発言

【中国】

・中国は、核軍拡競争に参加したことはないし、今後も参加しない。他国に核配備をしたこともなければ、核の傘を提供したこともない。

・核兵器国は、先制攻撃を核心に据えた核抑止政策を放棄するべきである。それが非核兵器国と非核地帯に対する安全の保証である。

・核戦争に勝者はない。それは、人類にとっての超えてはならない一線である。

中国の発言

― 核兵器依存国 ―

【日本】

・核兵器廃絶を求め原爆の実相を世界に伝えるために被爆証言を続けてきた被爆者の努力に感謝する。

・国民の生命と財産を守るのは政府の責任であり、日本は、核軍縮と安全保障を同時に求めていく。

・日本は2017年、「核軍縮の実質的な進展のための賢人会議」を立ち上げた。同会議は、2020年NPT再検討会議へ向けた国際社会の努力を呼びかける「京都アピール」を発表した。

・日本は、2018年5月に発表された国連事務総長の軍縮アジェンダを支持する。特に、青年こそが世界変革の力であるという点について、市民社会とのパートナーシップをさらに強め、軍縮・不拡散教育を通じて、次世代の人々に核爆発に関連する安全保障上の懸念と危険性について意識の啓発を行う。

日本の発言

【EU(欧州連合)】

・EUは、新STARTを国際およびヨーロッパの安全保障にとって非常に重要なものととらえており、米国とロシアは、新STARTの更新と延長をするべきである。

・米国とロシアに対して、戦略および非戦略、配備および非配備を含む核兵器のさらなる削減を求める。

・核軍縮と不拡散プロセスにおける、ジェンダーの平等は不可欠の要素である。

EUの発言

― 非核兵器国 ―

【カザフスタン】

・核兵器国による核軍縮義務の明らかな不履行が、核兵器禁止条約に繋がった。

・全ての締約国に対し、核兵器禁止条約の早期発効のために、同条約に署名、批准することを求める。

カザフスタンの発言

【ラテンアメリカ・カリブ海核兵器禁止機構(OPANAL)】

・核兵器の使用およびその威嚇は、国連憲章および国際人道法を含む国際法に違反し、人道に対する罪を構成する。

OPANALの発言

【南アフリカ】

・1995年、ネルソン・マンデラ大統領は、国連総会における彼の最後の演説で次のように述べました。「我々は、問わなければなりません。非道で恐ろしい大量破壊兵器の廃棄を拒むことを正当化するために精巧で洗練した議論を行ってる人達にはナイーブに聞こえるかも知れないが、なぜそのようなものが必要なのか、と」。

・核弾頭の数的削減は重要だが、核兵器の継続的な近代化は、いまだに破壊のための兵器を制限なく保持しようとしている国があることを示している。こうした動きは、NPTの法的義務と政治的約束に逆行するものである。

・こうした理由から、南アフリカは、核兵器禁止条約の採択を歓迎し、本年2月に同条約を批准した。同条約は、1945年以来、核軍縮における最も重要な進展であると信じ、その早期発効への努力を惜しまない。

・禁止条約は、1995年、2000年、2010年、あるいは2020年のNPT再検討会議における最終文書の履行を妨げるものではないし、また妨げてはならない。

南アフリカの発言

【オーストリア】

・NPTは、その完全な履行と遵守が必要である。核兵器国による、第6条を狭義的に解釈しようとする動きは、NPTにおける各国の信頼を損なうものである。

・核兵器の近代化、核兵器が安全保障のために必要であるとの核兵器国による言説は、NPTに反するものである。

・NPT 締約国に対し、核兵器禁止条約への署名と批准を求める。

筆者は、いくつかの問題意識を持ちながら、議論に耳を傾けています。特に、NPTの締約国、特に核兵器国は、今日もなおNPTを重要な国際レジームとみなしているかという点に注目しています。そうであれば、異なる立場の間に対話の可能性は開かれるからです。その観点で、米国のイニシアティブである Creating an Environment for Nuclear Disarmament (CEND) が、何を意図するものかは興味深いところです。また、先端技術が核抑止論にどのような含意をもち、影響を与えるかという点にも注目しています。核兵器の問題は、冷戦時代の「過去の問題」ではなく、AI時代の「新しい問題」でもありうるからです。この点は、「核軍縮の実質的な進展のための賢人会議」による「京都アピール」と共通の問題意識でもあります。

一般討論は30日も続き、その後、NPTの3本柱である①核軍縮、②不拡散、③原子力の平和利用のクラスターに分かれて議論が繰り広げられます。

文責:河合公明(創価学会平和委員会事務局長)

NPT準備委員会に先立ち、外務省と意見交換会を行いました

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4月23日、核兵器廃絶日本NGO連絡会に集うNGOメンバーら15名は外務省を訪れ、NPT準備委員会に先だって日本の核軍縮・不拡散政策について意見交換を行いました。外務省からは辻清人外務大臣政務官、今西靖治軍備管理軍縮課課長らが参加し、1時間強にわたって意見交換が行われました。

NGOから外務省に対して出した質問・要請文はこちら

NGOからの参加者は以下の通りです。

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【2020年NPT再検討会議・第3回準備委員会①】核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)のキャンペイナーズ・ミーティング

429日に始まるNPT再検討会議準備委員会に先立ち、28日(日)、核兵器廃絶国際キャンペーン(ICAN)のキャンペイナーズ・ミーティングが、国連本部向かいのチャーチ・センターで行われました。

最初に登壇したベアトリス・フィン事務局長は、核兵器禁止条約をめぐる最新情報とキャンペーンの取り組み状況を報告しました。

フィン事務局長は、禁止条約の早期発効が、現在のICANの最優先課題であることを確認。禁止条約を活用し、核兵器に非合法の烙印を押すことが、核兵器を保有する国への対抗になるからだと述べました。また、ICANの「都市アピール」(ICAN Cities Apealが収めている成果に言及。1200に及ぶ都市が、政府の外交方針に関わらず、禁止条約への支持を議会で決議し、中でも国の首都ワシントンDCが禁止条約への支持を決議したことには、大きな意義があると述べました。さらにフィン事務局長は、ノルウェー、スウェーデン、ドイツ、オランダ等の核兵器依存国での市民意識調査において、核兵器禁止条約への圧倒的な支持が判明したことを紹介しました。

オランダのNGOであるPAXのスージー・スナイダーさんは、「核兵器に投資するな」(Don’t Bank on the Bomb運動の成果について報告。「都市アピール」ICAN Cities Appealにより、カリフォルニア州が禁止条約への支持を決議したことで、同州内の銀行が核兵器への投資を停止した実例を紹介。ICANの異なるプロジェクトが、相乗効果を発揮していると指摘しました。

その後、核不拡散条約(NPT)準備委員会への取り組みに関する分科会に移りました。そこでは、禁止条約の発効促進、核兵器保有国、核兵器依存国という3つのテーマに分かれて、それぞれディスカッションが行われました。

筆者が参加した核兵器依存国の分科会では、①依存国における取り組み、②キャンペーンの基礎にある「核兵器の非人道性」の重要性、③政府に建設的に働きかけることの重要性について、議論が行われました。

そこでは、核兵器禁止条約に参加できないのは法的理由からではなく、政治的理由に基づくものであることが、政府による最近の報告で明らかにされた(オランダ)、国民の多数は核兵器の廃絶を望んでおり、それにもかかわらず、政府が核兵器禁止条約に賛成しないのは非民主的である(ドイツ、ノルウェー、スウェーデン)、といった報告や意見が出されました。

筆者にも発言の機会があり、NPTは、国際的な核不拡散と核軍縮の礎石であること。これは、日本をはじめとする多くの国の共通の理解だ。そのNPTが困難に直面している。その底流には、核軍縮義務の履行状況をめぐる批判があるとの指摘もある。核兵器国やその核兵器に依存する国は、それにどう誠実に向き合うのかが問われている。こうした議論を通じて、NPTと核兵器禁止条約とを結びつけることが重要だと指摘しました。また、4月に発表された、「核軍縮の実質的な進展のための賢人会議」による京都アピールは、全ての国は、新たな技術がいかに戦略的安定を複雑化させ、核兵器使用の危険を増大させるかについて評価し、それを防ぐための措置をとるべきとし、市民社会は、これらの努力に貢献すべきとしている。これは、建設的な議論にひとつの手がかりを与えている、と述べました。

さらに、2019年の取り組みに関する分科会も行われました。そこでは、禁止条約の発効促進、「都市アピール」、「核兵器に投資するな」、デジタル・キャンペーンの4つのテーマに分かれて、議論が行われました。

文責:河合公明(創価学会平和委員会事務局長)

2020年NPT再検討会議・第3回準備委員会が開催されます

4月29日から5月10日までの日程で、2020年NPT再検討会議に向けた第3回準備委員会がニューヨークの国連本部で開催されます。

今回の準備委員会には、NGO連絡会のメンバーも参加しており、現地からレポートをお送りする予定です。

第3回準備委員会の日程

https://undocs.org/NPT/CONF.2020/PC.III/INF/3

また、現地の情報は、以下のサイトを参照してください。

国連のオフィシャルサイト

https://www.un.org/disarmament/wmd/nuclear/npt2020/prepcom2019/

Reaching Critical Will のサイト

http://www.reachingcriticalwill.org/disarmament-fora/npt/2019

長崎大学核兵器廃絶研究センター(RECNA)のブログ

https://recnanpt2019.wordpress.com/

ヒバクシャ国際署名を届けるために、日本被団協から木戸季市、濱住治郎の両被爆者がニューヨーク入りします。彼らの行動予定はこちらをご参照下さい。
※ナガサキ・ユース代表団の動きはこちらのFacebookページをご覧下さい。